モノローグ

松下惇


大河の夢
現在、我が家の和室に「大河の夢」と書かれた色紙が額に入れられ飾ってあります。
叔父が、友人の書家にお願いして書いてもらったその色紙を、
私の息子の誕生祝に頂きました。
「大河」とは、私の息子の名前です。

今年十歳。その大河の夢は、
「プロのサッカー選手になること」
子供らしい大きな夢を持ち、元気に成長しています。

しかし、私は野球少年でした。
今も劇団の野球部で頑張っています。
その父親の影響をまったく受けないで、サッカーを選んだ大河。
それにはちょっと寂しい思いをしたものです。

私は、サッカーについて何もわからなかったのですが、
大河のサッカーの練習や試合を観にいくにつれ、
最近では少しずつ興味がわき、知識も増え、
マンガ「キャプテン翼」を1〜37巻読破したときには、
サッカーファンになっている私がいました。

そして、主人公の大空翼君が、岬君、三杉君、若林君など
すばらしいライバルや友人とともに「ボールは友達」と言いながら、
楽しんでサッカーをプレーする姿には感動し、涙したものです。
翼君の夢は、世界一のプレイヤーになり、日本をワールドカップで優勝させること。
大河も、翼君と出会って同じ夢を持ったようです。
「大河の夢」に負けないよう、役者の夢を追い続けていこうと、
息子に影響され、刺激を受けている私は38歳になる父親です。



松下惇(まつしたあつし)プロフィール

劇団青年座研究所卒業後、87年劇団新人会(現、朋友)入団
主な出演作 
(劇団)『一九一七年の三人姉妹』『女たちのジハード』『帰去来』
(外部)『お隣の脱走兵』 『天使が微笑んだ男』『ロダンの花子』
(TV)『ウルトラマンを作った男たち』 『ああ、嫁さん』『春よこい』

九州は長崎県諫早市の出身。すぐに熱くなる、馬鹿が付くくらい一途な男である。
「どうやら九州男児とは、こんな奴のことを言うのだろう」と思わせる。
そして、一方では典型的なマイホームパパ。とても家族を大切にしている。
このコントラストが、俳優として役に深みを与えているのではないだろうか。
本年3月『女たちのジハード』に岡崎役で出演。
〈末永明彦〉