観客席より
4月アトリエ公演(4月26日〜4月30日)
    『マンザナ、わが町』 作・井上ひさし 演出・高木達(青年座)

第3回アトリエ公演『マンザナ、わが町』も、
おかげさまで4月30日に無事終了いたしました。
三鷹台という足の便の悪いところではありますが、
連日大勢のお客様にご来場いただきました。
『マンザナ〜』は3時間を越える作品で、4月下旬ともなると暑い日も多く、
辛抱強く最後までご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました。

アトリエ公演では、毎回ロビー等に趣向をこらし皆様をお迎えしてまいりました。
『楽屋』では、劇場中を黒一色に統一し、
『オフィーリアのいるキッチン』『ノーガード』では〈お祭り〉をモチーフに、
受付を飾りました。
今回は開戦直後の日系人収容所という作品の背景を少しでもわかっていただくために、
ロビーには資料や写真を展示、
また、客席入り口には「マンザナ強制収容所」の看板と床には砂をまき、
お客様にも収容所と同じ目線で芝居を観ていただけるように考えました。
いかがでしたでしょうか?

さて〈観客席より〉では
毎回お客様からいただいたアンケートを掲載させていただいておりますが、
後日FAXやお手紙でご感想をお寄せいただいた方も多くあり、
また、演劇雑誌テアトロに劇評が載りましたので、あわせてご紹介させていただきます。

皆様からのご感想

井上ひさし作品に興味があり観劇しました。
役者の皆さんの熱気を感じました。おもしろい作品を今後もよろしく。
40代 男性

企画者、出演者、スタッフの思いがすべて結集していたと思います。
匿名

はじめて貴劇団を見させていただきました。
素晴らしかったです。どうもありがとう。
20代 男性

最後の場面で涙が出てしまいました。
そして、外見が違っても、血の色は同じ赤。そうでした。
井上ひさしさんが投げかける言葉が多く、
帰り道、仲間とすぐ話し合うことができませんでした。
女性

いつの時代でも、どこの国でも、このような不幸な出来事は起こりうる。
同じ間違いを繰りかえさない為に、私たちは一人一人、自分自身に立ち返って、
責任のある人生を全うすべきだ。
20代 女性

吉祥寺駅からタクシーに乗ったが場所がわからず、
途中で降りて番地を見ながらきたのですが、
道ゆく人に聞いてもなかなかわかりませんでした。
演劇の持つ可能性や演劇人の役割が見直されている今、
地域の中のネットワークに入り込めると、
芸術活動はもっともっと大衆的になるのに、と帰りがてらに考えていました。
男性

3時間の熱演、大変すばらしい演技でした。
5人の女性がそれぞれの役割を身体全体から受けるフィーリングで見事にこなし、
後半ではなんとなく胸が熱くなるのを感じるほどに、5人の熱演が印象に残りました。
私の青春の中にこんな苦労した世界がカルフォルニアであったこと、
今、舞台を通じて知ったのも収穫でした。
これからも大いに頑張って下さい。
60代 男性

劇団朋友のアトリエ公演は、まだ3回を迎えたばかりですが、
皆様の声を支えに、今後もより良い創造活動を続けて行きたいと思います。
ご協力ありがとうございました。

テアトロ7月号の江原吉博氏の「今月選んだベストスリー」より
井上ひさし作「マンザナ」は、鵜山仁の演出した初演の舞台を見ているが、
今回はまるで別の作品を見せられたようで、改定上演かと思ったほどである。
最大の違いは、反米派と親米派の対立軸がより明確に打ち出されたことだ。(中略)
高木達演出による今回の舞台は、底抜けの明るさも楽天主義もない。
確かに収容された人間にそんな明るさがあろうはずもない。
第二の祖国としてアメリカを愛し、忠誠を誓う者の心にも、
減滅は重石のようにのしかかっていたはずである。
それでもなおアメリカに望みを託そうとすれば、
願いはおのずと祈りに似てくるであろう。
歌手リリアン竹内(遠藤由希奈)が劇中で歌う
「God Bless America(アメリカに祝福あれ)」の、自らを鼓舞するような歌声は、
そうした内心の葛藤を伝えて、強く私の心を打った。
(テアトロ7月号より抜粋)