年頭御挨拶
 代表 小嶋敏彦

 年頭にあたり、皆様に新年のご挨拶を申し上げると共に、
益々のご清栄と、この一年のご多幸を心より祈念する次第です。
 皆様にはすでにご承知の事と存じますが、
長山藍子さんが平成十年度文化庁芸術祭演劇部門芸術祭大賞を 
三越劇場十月 劇団朋友公演『わがババわがママ奮斗記』の
ー企画と演技ーで受賞しました。
 藍子さん、本当におめでとう。
 劇団員一同も心から喜んでいます。
 さて、本年は劇団を再結成してから三十年、大きな節目の年に当たります。
 五年前には劇団命を新人会から劇団朋友と商号変更しましたが、
私達は一貫して
「その時代を精一杯生きている人々の生きざまを通して
現代人の琴線に触れるような作品」をと、
彼女を中心にその創作活動を続けてきました。
 そう言った意味合いからも、この度の受賞は私たちにとっても大感激、
大変うれしい事でしたし、これからの活動に希望と活力をも与えてくれました。
 ここに私たちの喜びの気持ちも含め、皆様にご報告させて戴きます。
 ここで少し昨年の活動を振り返って見ようと思います。
 この一月は門野晴子さんの「ワガババ介護日誌」他四作を原作として、
杉浦久幸氏脚本の『わがババわがママ奮斗記』
俳優座劇場一月二十日の初日に向け、
西川信廣氏演出のもと、屠蘇気分などぶっ飛ばしての、
それこそ劇団員一丸となって大奮斗中の毎日でした。
 その甲斐あって大好評のうちに俳優座劇場を打ち上げ、
引き続いての首都近郊、ウィルあいち、仙台演鑑、神奈川演鑑地域と、
4月半ばまでの巡演全てを成功裏に納める事が出来ました。
また十月には劇団として初めての三越劇場公演を芸術祭参加という形で実現でき、
お客様にも大変喜んで戴けました。
 その上、この公演で先にも触れました
長山藍子さんの演劇部門芸術祭大賞受賞となった事は真に喜ぶべき事柄でした。
 西川信廣氏とスタッフの皆様、
そして三越劇場製作部の皆様に心よりお礼を申し上げる次第です。
 そして十一月には公文協、教育委員会、練馬演鑑、実行委員会、
ステージふくいなどなどの多彩な巡演がつづき、
通算五十八ステージを数え、初演時の公演活動としては大変な成果をあげ得ました。
 この間の二月二十八日には兵庫県中町文化会館主催公演として、
青井陽治氏演出の『シャドウ・ボックス』の再演。
一ステージだけの公演でしたが、
オープン・ステージに変形できる劇場だったので、
下北沢の駅前劇場と同様のセットも組め、濃厚な舞台空間を再現できました。
重いテーマにも拘わらず、お客様には深い感銘を持って受け止めて戴けました。
 五月と七月はアトリエの連続公演。
第一弾は二十五日〜三十日まで、西海真理の初演で清水邦夫作の『楽屋』。
第二弾は六日〜十一日まで、新人会の西方亭氏の演出で、
『わがババわがママ奮斗記』の作家でもある杉浦久幸氏の
『オフィーリアのいるキッチン』と『ノーガード』の二本立て。
両公演は共に連日のお客様で賑わい、喜んでお帰りになられていました。
 このアトリエ公演の間を縫いながら、
六月二十五日には一ステージだけでしたが、
沼津市の子ども劇場で吉原廣作・演出の
『チロリンマンの逆襲』のファイナル公演。
 九月二十九日〜十月三日までは、
中野にある劇場ー座・ポケットーで『女たちのジハード』のスペース公演。
この作品は篠田節子さんの直木賞受賞作「女たちのジハード」を
脚本家松田伸子さんに何度も書き直して戴き上演台本とする事が出来ました。
本当にありがとうございました。
そして、この作品を俳優座の演出家宮崎真子さんの卓越した創造力は、
脚本の面白さを俳優、美術、音楽、照明、音響、衣装、
舞台部等の隅々にまで行き渡らせすばらしいアンサンブルをつくりだし、
実りある舞台にしてくれました。
一同に成り代わりましてお礼を申し上げます。
なお、無理な条件の中を客演してくださった
村山ひろし氏、白井真木さんにもこの場を借りてお礼を申し上げます。
 演劇評論家の八橋卓氏は平成十一年十一月三日付けの「新聞赤旗」に
ー笑いと元気、女性作家の2作品ーと題して
『わがババわがママ奮斗記』と『女たちのジハード』を
合わせてご紹介くださると共に、多大なるご評価を寄せて下さいました。
また悲劇喜劇十二月号では作家の皆川博子さんが
『女たちのジハード』の劇評の中で
「原作者も笑い転げるくらい、舞台は活き活きとして、自然な笑いを誘っていた」
と評して下さいました。
 このように見て来ますと昨年の一年間は私達のもてる力を十分に発揮できた、
充実した年だったようです。
 舞台創りに協力してくださったスタッフの皆様、
そしてご支援してくださった皆様本当にありがとうございました。
心の底からお礼申し上げます。
 本年は「竜の年」昨年度のパワーをよりパワーアップし精進を重ね、
心も新たにより高次元の舞台成果を求めていくと同時に、
ご支援してくださる皆様との交流、協力関係をも一層深めながら、
お互いに手を携え、昇り龍のごとき勢いを以って、
創作・公演活動に邁進して行く所存です。
 何卒、本年もご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げる次第です。